「最期は家で過ごしたい」 イチロウ代表・水野友喜が描く“介護保険外”の原点

当ページのリンクには広告が含まれていることがあります。
Mizuno Yuki

「住み慣れた自宅で過ごしたいという想いには敵わない」

その一言が、すべての始まりでした。

筆者は、保険内で介護の仕事を11年続けた後、保険外サービスのイチロウに出会い、これまでの「介護感」が全てひっくり返ってしまった人間です。

イチロウ代表水野氏の、原動力はどこから来るんだろうか?
どうしてこんなに賛同する人が集まり、社会全体を動かしていけるんだろうか?

調べるうちに虜になってしまい、勝手に水野氏の経歴や想いなどの情報をつなぎ合わせて整理したものです。


目次

介護保険の“外側”から生まれた新しい選択肢

多くのご家族様が、介護を考え始めたときに最初に頼るのは「介護保険サービス」です。

しかし、制度の範囲内では叶えられない願いや、時間・人手の制限に直面する方が増えてきています。

そんな中、「制度ではなく、人に合わせる介護を」と立ち上がったのが、

介護保険外の訪問介護サービス『イチロウ』です。

創業者であり代表を務める水野友喜(みずの ゆうき)氏は、
介護現場での10年以上の経験を経て、現行制度の限界に直面した一人。
介護士としての原体験から、保険外で“人らしい介護”を実現する仕組みをつくりました。


「最期は家に帰りたい」一人の利用者の声が原点に

水野氏が介護の世界に入ったのは20歳のとき。

特別養護老人ホームで介護士として働きながら、日々のケアに全力を注いでいました。

ある日、お看取りを担当していた女性の入居者がこう語ったそうです。

「最期は家に帰りたいの。」

その願いは叶わぬまま、彼女は施設で亡くなりました。この経験が、水野氏の心に深く刻まれたといいます。

「どれだけ施設での生活を良くしようとしても、
“家で過ごしたい”という想いには敵わない。」

制度の枠内でできる努力には限界があり、
“本人の願い”に寄り添う介護を実現するには別の仕組みが必要だと感じたそうです。


「介護保険サービス以外の選択肢がない」という壁

介護保険制度は多くの人を支えていますが、同時に「できること」に制約があります。
例えば、

・家族が外出する間の“見守り”

・介護保険の時間枠を超えた“夜間対応”

・趣味や外出など“生活の質”に関わる支援

    こうした日常的なニーズは、制度の対象外になることが多いのです。

    水野氏は言います。

    「介護の状況は十人十色。正解は一つじゃない。
    だからこそ、一人ひとりの希望を叶えられる選択肢が必要だと感じました。」

    イチロウは、まさにその「選択肢の空白」を埋めるために誕生しました。

    この“制度の壁”を最も実感しているのは、現場で支える介護職員です。

    訪問介護の現場では、介護保険の範囲を超える支援を求められることも少なくありません。

    施設介護出身の筆者に、その難しさを教えてくれたのが訪問介護の現場で活動する
    くどう【自宅介護・訪問介護の人】さんでした。

    「助けたいけれど、制度の壁がある」—— その葛藤を聞いたとき、
    イチロウというサービスが生まれた意味が、はっきりとわかった気がしました。


    祖父の名を冠した「イチロウ」 理念に込めた想い

    画像:公式HP

    サービス名「イチロウ」は、水野氏の祖父の名前に由来します。

    「自分の親に勧められないサービスを提供するのは、
    介護士にとっても、要介護者にとっても不幸なことです。」

    介護現場では「自分の両親に勧められるか?」という問いに、自信を持って「はい」と答えられる人はとても少ないのが現状です。

    「自分が作るサービスは、自分の家族にも自信を持って提供できるクオリティを目指したい。」との思いで祖父の名前を使用。
    これが自分たちの質にこだわっていく宣言となっている。

    この言葉には、“事業”ではなく“約束”としての強い意味が宿っています。

    それは、介護士としての原点への誓いであり、

    「両親に勧められる介護=誰にとっても安心できる介護」を追求する姿勢そのものです。


    制度の外でも、品質は守る「保険外介護」の新しい形

    イチロウの大きな特徴は、介護保険外でも高い専門性を維持している点にあります。

    ・介護士・看護師など、国家資格を持つ専門職が登録

    ・家事援助から身体介護まで柔軟に依頼可能

    ・最短当日対応、1回2時間から利用可能

    ・家族・本人・介護士の3者をつなぐマッチングプラットフォーム

      水野氏は「保険でできないことを自由に支える」ため、あえて制度の外で、透明性と品質を両立させる仕組みを作り上げました。


      “制度を補う”のではなく、“人に合わせる介護”を

      画像:経済産業省HPより

      水野氏は、2025年現在「介護関連サービス事業協会」の初代理事に選出されて、
      業界全体の品質基準やガイドライン策定にも関わっています。

      彼が描くのは、“制度を補う”介護ではなく、“人に合わせる”介護

      これは単なる民間代替ではなく、介護の新しい価値観そのものです。

      「介護の自由化」という言葉をよく使う水野氏。
      それは、利用者が“自分の人生を自分で決める自由”を取り戻すという意味でもあります。


      社会課題への挑戦──介護士不足と持続可能な介護環境へ

      イチロウが目指しているのは、単なる個人マッチングではありません。

      保険外という柔軟な形態を通じて、
      介護士不足・離職・地域格差といった社会的課題の解決にも取り組んでいます。

      「低賃金・長時間・精神的負担」という介護職の現実を変えること。
      それもまた、イチロウの掲げる“両親に勧められる介護”の延長線上にあります。


      消費者志向自主宣言

      画像:公式HPより

      イチロウは、日本が直面する介護の課題に向き合い、家族と介護士が無理なく介護に関われる社会をつくることを目指している企業です。

      テクノロジーを活用し、介護に伴う負担や働きづらさを根本から減らしていくことを大切にしています。

      イチロウが重視している取り組みは次の5つです。

      1. 家族の介護負担を軽減すること
         介護保険では補いきれない部分をサポートし、仕事を続けながら介護できる環境づくりに貢献します。

      1. 介護士が働きやすい環境を整えること
         多様な働き方を提供し、介護士不足の解消や、より多くの人が介護の現場で活躍できるようにします。

      1. 介護士が正当に評価される仕組みをつくること
         努力が正しく評価され、やりがいと収入が両立する働き方を実現します。

      1. ルールを守り、安全で信頼できるサービスを提供すること
         法令遵守を徹底し、利用者が安心して依頼できる環境を整えます。

      1. 災害時にも途切れないサービス体制を備えること
         地震や台風などの非常時においても、必要な支援を継続できるような仕組みを整えています。

      これらは、イチロウが掲げる「消費者志向自主宣言」として利用者と介護者、そして社会に対する責任を明確に示したものです。


      資金調達と理念の進化──“幸せな最期”を実現するために

      画像:PR TIMES

      イチロウは創業以来、4回に渡り、累計15億円以上の資金調達を実施しています。

      2025年秋、11.3億円の資金調達では、
      既存投資家に加え、新たな投資家も加わり、事業はさらに拡大のフェーズへ。

      その際、水野氏は自身のX(旧Twitter)でこう語っています。

      「誰もが幸せな最後を迎えられる社会を実現するため、気を引き締めて邁進していきます。」

      この発言からも、イチロウの理念が進化を続ける原動力であることがよく伝わります。

      「制度に頼る介護」から「自分で選ぶ介護」へ。
      その変革の中心にいるのが、イチロウという存在です。


      水野社長が語る「保険外サービス」の意義

      水野社長は、複数のメディア取材の中でこう語っています。

      「保険外サービスによって介護職の処遇改善が可能です。
      制度内だけでは打開策が限られる現実があります。」

      この言葉には、単なるビジネスではなく、
      介護現場で働く人の尊厳を守るための視点が込められています。

      介護保険制度が高齢者を支えてきた一方で、制度に縛られることで「人の想い」や「柔軟な支援」が制限されてきた現場があります。
      イチロウはその“狭間”を埋める存在として、介護を受ける人にも、支える人にも、より良い選択肢を届けようとしています。


      ロゴに込められた決意

      Ichiro logo

      イチロウのロゴが現在のものに変更された際、公式ではこのように発表されました。

      ロゴの色として浅葱色を採用しました。この色は新撰組の羽織に使用された色でもあり、超高齢社会を支える礎を作るという決意の意思を込めました。

      「新撰組の羽織に使用された色でもあり」とはどういう意味でしょう?

      1. 常識を打ち破る「挑戦者」の旗印
      新選組が志を持って時代を動かしたように、イチロウも「保険外サービス」という新しい選択肢で、介護のスタンダードを塗り替える挑戦を続ける?

      2. プロとしての「誠」の精神
      新選組が掲げた「誠」と厳しい規律。これは、大切なご家族を預かる現場で、高いプロ意識と誠実さを持って向き合うイチロウの姿勢を象徴?

      3. 社会の「礎(いしずえ)」を作る覚悟
      「武士の死装束」に用いられてきた浅葱色。介護という「命」に寄り添う現場で、最期までその人らしく生きるための社会基盤を自らが築くという、運営側の不退転の決意が刻まれている?

      これは筆者の勝手な解釈でしかありませんが、奥深い熱意を感じずにはいられません。

      イチロウのポロシャツを着ると左胸に鮮やかな浅葱色のロゴがあり、それを見るたびに気が引き締まる想いがしています。


      まとめ:「家に帰りたい」を叶えるために

      「制度に寄り添うのではなく、人に寄り添う介護を。」

      この言葉に、イチロウという会社のすべてが込められています。

      施設でも、保険でも、叶えられない願いがある。
      それを少しでも実現するために、
      一人の介護士が始めた挑戦は、いま多くの家族に新しい希望を届けています。

      利用者であり、ヘルパーである私がイチロウを徹底解剖。イチロウのことならお任せ。


      📎 参考・出典

      よかったらシェアしてね!
      • URLをコピーしました!
      • URLをコピーしました!

      コメント

      コメントする

      CAPTCHA


      目次