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高齢者の食事、楽しみは残したい。「でも正直めんどくさい」…が手放せる工夫

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fuwafuwaunako

高齢の親の食事や介護。みなさん色々お悩みがありませんか?

⚫︎なかなかご飯を食べてくれない…弱って行く様子を見るのはもどかしい
⚫︎刻み食の場合、外食はどうしたらいい?
⚫︎食欲はあるけどムセるので怖い 
⚫︎バランスの取れた食事にしたいけど毎食作るのは正直いって面倒     
⚫︎「好き嫌い・咀嚼力・時間帯」…条件が多すぎる
⚫︎多忙な生活の中、親の介護に生活ペースを大きく乱されている     

この記事では在宅介護の食事に関する悩みを中心に、栄養士と、現場介護士の経験から対応策を考えていきたいと思います。

食べない・少食

観察する

ある時、うつむいてばかりで全然食事に手をつけない方がおられましたが、ヨーグルトだけは自分で食べられるので、試しにヨーグルトのカップをきれいに洗って、その中におかずやご飯を入れてみました。
するとカップとスプーンを両手で持って、どんなものでも口に運べるようになったのです。
食器がうまく持てなかっただけで食欲が減退していた訳ではなかったのかもしれません。

yogurt

この方法を見つけた時は興奮しました。
おかげで毎回全介助だったお食事が、カップに食事を足すだけの一部介助に変わったのです。
このように、ご本人様の観察から何かヒントが生まれるかもしれません。

〈観察するポイントの例〉
⚫︎好んで食べるもの。
⚫︎むせる直前に何を口にしたか。
⚫︎どんなタイミングだと食べなくなるのか。
⚫︎排便との関係。
などなど

血液検査の結果があるようでしたら、
アルブミン値をみてみると、約3週間前の栄養状態が分かります。
高齢者のアルブミンの正常値は 4.0g/dl 以上で、3.5g/dl 以下の場合、『低栄養』と診断される可能性が高いです。

時間や回数の枠をはずす(これまでの形にこだわらない)

”1日3回食べるもの”などの、これまでの常識を外してみると解決策が見える事があります。

例えば、3食提供して、本人が欲しがらない時は無理強いをせず下膳して、
次の食事で空腹感があり自力で半分でも食べられるとしたら…
その人は1日2食や1食で良いのかもしれません。

ご本人様が食べたいと思った時に、食べたいものを食べられる状況にシフトする事も検討できます。

他には、「出された物は全部食べる」と育てられた方などは、
お食事の見た目で、”これをみんな食べなくちゃいけない”と思うとお腹がいっぱいの気分になるのか箸を付けない人がおられます。
この場合、小鉢ひとつだけを目の前に出せば食べられたりします。
手間はかかりますが、一皿一皿出すか、超小盛り御膳にすると食べ進むことがあります。
この方法は早食いの方にも応用できます。

食べたいものリストを一緒に作る(“楽しみ”を再発見)

ご本様の中にしか正解がありませんので、しつこくならない程度にご本人様に協力してもらいましょう。
「今日なに食べたい?」ではなく、「プリンとトマトだったらどっちが食べたい?」
など、具体的、かつ選べる状態だと答えやすい場合があります。
テレビに映る食べ物や雑誌、新聞を参考に「これ美味しそうだね。今度買ってみる?」など。

本人様を交えてリストを作ると、楽しみの再発見ができたり、本当の好みがわかるかも知れませんね。

List making

このリストの注意点としては、実際に買ってきたものを食べない事や、
ご本人様の食の傾向を知ったらものすごく偏食だったという場合があるでしょう。

しかし、健康的でバランスの取れた食事にこだわらず、食べたいものを食べさせてあげるのも一つの選択肢にはなるはずです。

むせる

嚥下・咀嚼に配慮した調理法に変える(やわらか食・刻み食の工夫)

⚫︎硬くて食べられない。
⚫︎味を感じにくくて美味しくない。
⚫︎口の中に問題(歯が痛い・口内炎・義歯が合わない)がある。
⚫︎消化器官や肝臓などの病気が隠れている。
⚫︎しっかりと目覚めていない。
⚫︎排便が滞っていて食欲がわかない。
⚫︎吸い込み食べ・早食いでむせる。
⚫︎介助の一口が小さすぎて、口の中のものを食べ物と認識できていない。
⚫︎姿勢が悪い。
⚫︎テレビがついていて食事よりもそちらが気になる。

その人それぞれの理由でムセたり、食べたくなかったりします。
食欲不振を主治医の先生に診てもらったり、
歯医者さんに嚥下機能(飲み込む力)の相談をしてみましょう。

食欲不振となる病気や、嚥下機能に問題がなければ、食事の形状を変えたり姿勢を変えるだけでご本人様の食べる力がアップします。

⚫︎やわらか食に変えてみる。
食事中にむせたりする方には、食材を柔らかく煮込んでからとろみを付けるとうまくいく事があります。
市販のとろみ剤が手軽で失敗しにくいですが、過剰にとろみを付けると普段の食事とかけ離れてしまうので、少しずつ量を調整されることをお勧めします。

かぼちゃの煮付けはそのままペースト状に出来ますし、
カレイの煮付けなどは元々柔らかく、汁の部分に片栗粉でトロミをつけるだけで他の家族と同じメニューで食べられます。


⚫︎細かくしてとろみあんで包む。
咀嚼(食物を噛むこと)の力が弱っている場合は、食材を細かく刻むと良いですが、
きゅうりなどお互いがくっつかない食材は、包丁で刻めば刻むほど口の中でまとまりが作れずに喉の奥へと送り込むのが困難になります。
この場合もとろみ調整剤を使用して、水やお湯でとろみあんを作れます。
ドロドロでもったりするくらいの硬さでに調整しましょう。
これで食材を包み込んで、すぐにでも喉に流し込めるような食材の塊を形成する事ができます。

Chopped food

使用したとろみ剤は『明治 トロメイク』で、
50ccのぬるま湯にとろみ剤小さじ2杯を使用しました。
水にとろみ剤を入れたらすぐに、よくかき混ぜるのがダマにならないコツです。
出来上がった”とろみあん”単体で食べても味はしません。
素材を邪魔しない作りになっているんですね。


この時、とろみあんで味が薄くなってしまう場合がありますので、出汁であんを作っても良いかも知れません。

お茶やカルピスなどの水分にもとろみ剤は使えます。とても便利ですが、嫌がる方もおられますので、とろみの硬さは少量ずつ試されると良いと思います。
ごく少量でも、サラサラの飲み物よりは効果がありますのでご心配なく。

外食での刻み食

外食中でも”刻み”は、道具があればその場でできます。
可能であればお店の人に頼んだり、携帯用のハサミやブレンダーを持ち込めば、普段と同じ状態で外食が楽しめます。

これから高齢者がどんどん増えていきます。
外食先で食形態を変える光景は当たり前になってくると思います。
外でみんなで食べられる人はどんどん外に出て、楽しい食事を満喫してもらいたいです。


⚫︎テーブルや椅子を工夫して姿勢を見直す

Swallowing
画像:アサヒの介護食・口腔ケアより
posture
画像:アサヒの介護食・口腔ケアより

BARなどに設置してある背の高い椅子を想像してください。
あの椅子は、お客さんを長居させない役割も担っていて、足が床につかないという事は少し居心地が悪いのですね。
介護現場においても、食事中の姿勢の変化で”居心地”が変わってきますので、
是非、要介護者の食べる姿勢を横から観察してみてください。

全部がしんどい日もある。『宅食』試してみても良いかも

何でもかんでも自分でやる必要はありません。介護をする側の自分が体調を崩したら?
それこそ在宅介護の破綻につながります。

とはいえ、1日一食だけでもバランスの取れた食事があると助かります。
もちろん味や好みがご本人様にマッチするようでしたら、毎食宅食にする方が栄養バランスや食事の形態に悩むことはなくなりますので、介護者の負担は随分と軽くできます。
上手に利用していきましょう。

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宅食 食べてくれない そんな場合は

宅食で食べてくれる場合はこれで解決ですが、それでもダメ場合はどうでしょう。

毎回作っておくわけにもいきません。
そんな時は便利な物、食べられるもの、なんでも利用しちゃいましょう。


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補食としてのオヤツ(間食)

Snacks

ちゃんとしたお食事でなくても、ご本人様が食べられれば何でも利用していきましょう。
食事量が少ない場合は、優先的にタンパク質の不足を補うことを目標にします。

例えば、缶詰のお魚。
サバやサンマ・イワシなど、煮込みで味付けの物がありますよね。
一品のおかずにもなりますし、保存が効いて、その上タンパク質やカルシウムも豊富です。

他にも、ちくわ・カニカマ・さつま揚げに伊達巻。納豆・チーズ・煮豆にヨーグルト。
これらはみんなタンパク質を豊富に含んでいて、スーパーやコンビニでも手に入りやすい商品です。きちんとしたお食事にこだわらなくても、栄養を摂ることはできます。

歯が丈夫であれば、ピーナッツやスルメなんかでもタンパク質が摂れますし

おやつとして、肉まんやプリン、どら焼きなんかも栄養価が高いのでおすすめです。

「食べること」は最後まで残る“生きがい”の一つ

料理や介護を手放しても、親子の関係は壊れない

色々な物やサービスに頼って、持続可能な介護をしていきましょう。
「親の介護は子供がするのが当たり前」と言う考えが根強くありますが、介護を楽にして自分を優先出来るようになると良いですね。
介護者に余裕があると、介護される方も安心します。
”頑張りすぎない”、”手を抜く”は工夫の証です。
「自分の食事の作り方がよくなかったのかな?」
「やれることをやってあげられない自分は親不幸かな?」などと悩まなくて大丈夫です。

もし、反対に自分が介護を受ける立場だったら、仕事や育児に忙しい中で心や時間を砕いてくれている家族にそのような考えが起こりますか?

例え認知症で状況が掴めず文句ばかり言う親御さんだったとしても、それは体(脳)の機能が失われただけで、きちんと心ではわかっていますので大丈夫です。
酷い事を言ったりできるのは身内に甘えているのだという事例もたくさんあります。

まとめ

介護はチーム戦。人・モノ・サービスをうまく使う。
・食事がうまく摂れない、むせる場合は本人の観察から始める
・これまでの常識にとらわれず、食事の時間や回数の枠をはずしてみる。
・食べたい物リストや外食で楽しみを作る。
・内臓や口の中に異常がないか検査をする。
・食べる姿勢を工夫する。
・自分で作るにこだわらない。
・食事でなくてもおやつでも栄養は摂れる。

このような内容を解説していきました。

おまけ:助けてもらいたいのに助けてもらえない

自費のヘルパー依頼(イチロウ)

食事や、通院に介助があった方がいいけど、同居の家族がいるという理由で介護保険のヘルパーが使えない。

その結果、通院のたびに介護者が仕事休む。
食事はあるけど、温めたりセッティングのためだけに仕事を早く切り上げるなど、
介護のために自分を犠牲にしないといけない場面はありませんか?

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もう少し人手があったら…
そんな時は介護保険ではなく、自費でお願いできるヘルパーさんもありますので上手に使ってみてください。

介護保険との違い

自費のヘルパーさんなら家族の分の食事も作れますし、本人と一緒に買い物に行く、ペットの世話、入院中の付き添い、通院先での受付・待機なんかも可能です。

項目介護保険自費サービス
対象要介護・要支援者のみ誰でもOK
内容基本的な身体・生活援助柔軟なサポート全般
家族分の支援
趣味・外出支援
実費負担一部(1〜3割)全額自己負担

ご家族様で自由にプランを立てられるので”オーダーメイド介護”などと呼ばれています。

24時間365日対応の介護保険外のオーダーメイド介護サービス【イチロウ】
ABOUT ME
三角 丸子
三角 丸子
介護のお困り助けたい
子供ひとり、親3人。
銀座のクラブホステス、栄養士を経て介護士に転身。
現場「介護士」と、施設入居のお手伝いをする「生活相談員」での経験を活かし
これから入居を考えるご家族様や、在楽介護での役立つ情報を発信します。
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