混合介護とは?これからの介護の新しい「当たり前」

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Mixed care
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混合介護とは?

Mixed care
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混合介護とは、介護保険サービスと保険外(自費)サービスを組み合わせて利用することを指します。

たとえば、

  • 公的介護保険のデイサービスを利用。
  • その間や後ろの時間を自費のサービスで補う、補強するなどのことを言います。
ratio
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上記はあくまで一例ですが、制度と民間サービスを併用して、生活全体を成り立たせる使い方全般を指します。

※混合介護は、制度上の正式なサービス名というより、「介護を受ける側の実感」から生まれた言葉でもあります。


しかし、この「混合介護」が注目される背景には、
介護保険だけでは支えきれない現実があります。

実は国自身もすでに、「介護のすべてを介護保険で担い続けるのは難しい」という前提に立ち始めています。


なぜ今、国は「介護保険」だけでは限界だと考えているのか

Supply capacity of non-insurance services
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※引用の際は、出典として本記事へのリンクを貼っていただけますようお願いいたします。国が必要としている保険外サービスの供給料

この図が示しているのは、
国がすでに 「介護は介護保険だけで完結するものではない」 と考えている、という事実です。

要支援や要介護1〜2の人だけでなく、
要介護3〜5の重い介護が必要な人であっても、
生活のサポートや外出、社会との関わりの部分には、保険外サービスが使われることが想定されています。

介護保険が主に担おうとしているのは、
入浴や排せつなどの身体介護や、医療と関わるケアといった、いわば介護の中心部分です。
一方で、外出の付き添いや見守り、話し相手など、
暮らし全体を支える部分については、介護度に関係なく、保険外の力も必要だとされています。

つまり国は、軽度か重度かに関わらず、
「介護保険に、保険外サービスを組み合わせて介護を支える」
という混合介護の考え方へ、すでに方向を切り替えているのです。


混合介護のデメリット

混合介護は利便性が高まる一方で、利用する前に理解しておきたい注意点もあります。

費用負担の問題

介護保険外サービスは、原則として全額自己負担になります。
そのため、混合介護を取り入れると、どうしても支出は増えます。

短期間であれば対応できても、継続して使う場合は、家計への影響を考えながら利用する必要があります。

契約や手続きの煩雑さ

介護保険サービスと保険外サービスは、制度上まったく別の契約になります。
そのため、利用する事業者ごとに契約書や同意書を結ぶ必要があります。

複数のサービスを組み合わせるほど、説明を受けたり書類に目を通したりする機会が増え、利用者や家族にとって負担に感じられることもあるかも知れません。

同じ事業者にまとめにくい構造がある

介護保険と保険外サービスを、同じ事業者が一体的に提供すると、制度の区分が厳しくなり、事業者側に不正請求などのリスクが生じます。

そのため、利用者としては「一つの窓口にまとめたい」と思っても、制度上、分けて契約せざるを得ないケースが考えられます。

そのため、同じところに頼んでいるのに「契約書は別で書かないといけない」などの煩雑さは出てきます。

利用者の判断が難しくなる可能性

サービスの選択肢が増えることで、「どこまでを保険で行い、どこからを保険外にするのか」を自分たちで考える必要が出てきます。

もともと分かりにくい介護制度に、さらに選択肢が加わるため、判断の負担が増えると感じる人もいます。

利用者被害への懸念

要介護者の中には、判断力が低下している方もいます。
その場合、十分な説明を受けないまま、高額な契約につながってしまわないかという点には注意が必要です。

周囲の家族が内容を一緒に確認するなど、慎重に進めることが大切になります。


利用者の生活はどう変わるのか(メリットの具体例)

では逆に、混合介護をうまく使えた場合、利用者や家族の生活はどのように変わるのでしょうか。
ここでは、実際に想定される変化を具体例で見ていきます。

①働きながら家族介護をしている世帯の場合

介護保険では、基本的に要介護者ご本人への支援が中心となり、同居している家族の家事や生活のサポートは対象外になることが多いです。

混合介護を利用すると、要介護者の食事介助にあわせて、家族の食事準備や台所の片付けまで対応できるため、「介護士プラス家政婦さん」のような役割が期待でき、仕事と介護を両立している家族の負担を大きく軽くすることができます。

②高齢者夫婦世帯の場合
・大事な書類が未開封のまま残っていないか?
・2階に上がるのはもう大変だから荷物を下ろしてもらいたい。
・衣替え
・スマホ操作の手伝い

これまでは「子や孫の手を借りなければ」と遠慮されていた事柄も、プロが日常的にサポートすることで、生活の質が大きく向上します。

③ひとり暮らしの要介護者の場合

介護保険では、買い物や家事の支援も、嗜好品は購入できない。寄り道はダメ。などどうしても最低限の内容に限られてしまうことがあります。

混合介護を取り入れることで、趣味のための買い物や散歩、掃除のついでの衣類整理など、その人らしい生活を大切にした関わりがしやすくなります。

④認知症のある要介護者の場合

身体介護に加えて、見守りや長時間の話し相手といった支援を同時に行えるため、家族が外出する際の不安などを減らすことができます。

その結果、家族の気持ちの負担も軽くなり、住み慣れた自宅での生活を続けやすくなります。


民間の介護保険外サービスはどう整理すればいいのか

混合介護が現実的な選択肢になってきた今、
次に悩むのは「では、どんな民間サービスを選べばよいのか」という点ではないでしょうか。

民間の介護保険外サービスは一括りにされがちですが、実際には役割や立ち位置が異なります。
大きく分けると、次のようなタイプがあります。

・宅食専門・介護タクシーなどの専門特化型

・長期定期利用前提型

・短時間や急な利用に対応できる柔軟型

それぞれに強みがあり、
「どれが正解」というより、家庭の状況に合うかどうかが重要になります。


「信頼できる民間サービス」を見極める視点

民間サービスを選ぶ際に不安になるのが、
「本当に安心して任せられるのか」という点ではないでしょうか。

特に混合介護では、利用時間が長くなったり、生活の深い部分に関わったりすることになります。
デメリットでも触れたように、残念ながら悪質な業者が存在するのも事実です。

こうした状況については、経済産業省も以前から課題として指摘してきました。
介護保険外サービスは急成長の途中で、利用者にとって選択肢が分かりにくく、
サービスの質や内容を判断しづらいという問題がまだ解決されていません。

この課題意識を背景に生まれたのが、
民間の介護保険外サービス事業者を評価・認証する第三者の枠組みである
CSBA(ケアサービス品質評価機構)です。

介護関連サービス事業協会

CSBAでは、特定の事業者を勧めるのではなく、
介護保険外サービスの質を担保して、利用者が安心して選択できる環境づくりを目的として、次のような点から事業者を評価しています。

① サービスの質
内容の明確さ/マニュアル/安全管理

② スタッフ研修
研修制度・資格・新人教育の有無

③ 料金と契約の透明性
追加料金/キャンセル料/契約の分かりやすさ

④ 個人情報と記録
情報管理体制/記録の正確性

⑤ リスク・苦情対応
事故対応ルール/保険加入/説明責任

これらは、経済産業省が重視してきた「透明性」と「利用者保護」の視点と重なる部分です。

民間サービスを検討する際は、こうした第三者評価の視点を一つの目安にすることで、不要なトラブルを避けやすくなります。

介護関連サービス事業協会CSBAってなんですか?と思った方はこちら ⬇️


混合介護が抱える課題と、これからの方向性

混合介護が広がることで、介護の選択肢が増え、
利用者一人ひとりの生活に合わせた支援がしやすくなることは確かです。
ただし、新しい仕組みが定着するまでには、いくつか乗り越えるべき点もあります。


<課題1.ケアマネジャーに求められる役割の変化>

混合介護が広がると、
ケアマネジャーには、これまで以上に幅広い判断が求められるようになります。

介護保険サービスの調整に加えて、
「どこを保険で行い、どこを保険外で補うと生活がうまく回るか」まで、
利用者や家族と一緒に考える必要があるからです。

こうした負担の増加から、最近では ケアプランを無料で作り続けることの限界 も話題になっています。
一部では、ケアプラン作成を有料にする動きや、専門的な支援には対価を求める仕組みを検討する声も出ています。

今後は、調整だけを担う存在から、生活全体を見て助言する専門職として、ケアマネジャーの役割が少しずつ変わっていくかもしれません。


<課題2.利用できる人・できない人の差への懸念>

混合介護は、保険外サービスの利用を前提にする以上、どうしても費用面の差が生じます。

その結果、十分に活用できる家庭と、そうでない家庭との間に差が広がるのではないか、という指摘もあります。

これまで「誰もが同じサービスを受けられる」ことを重視してきた介護保険制度との関係を、どのように整理していくのかは、今後の大きなテーマと言えるでしょう。


<今後の見通し.介護サービスの多様化が進む可能性>

一方で、混合介護が認知されていくことで、介護サービスそのものが進化していく可能性もあります。

事業者が、より判断力や対応力の高いスタッフを育てるようになれば、サービスの質そのものが底上げされていくことが期待されます。

また、家事支援や見守りサービスなど、これまで介護とは別分野とされてきた領域から新たな担い手が参入することで、介護分野に新しい選択肢や競争が生まれることも考えられます。


大切なのは「比較できる状態」を作ること

混合介護が広がるこれからの時代に重要なのは、
「このサービスでなければならない」と決め打ちすることではありません。

・自分たちの生活に何が必要か

・どこまでを保険で、どこからを保険外で補うのか

・信頼できる事業者かどうか

こうした視点を持ち、比較した上で選べる状態を作ることが、
介護で無理をしすぎないための第一歩になります。

そもそも介護保険外サービスとは? ⬇️

民間のおすすめ介護保険外サービスを比較ランキング ⬇️


参考資料

経済産業省
第1回 高齢者・介護関連サービス産業振興に関する戦略検討会
(事務局資料)
2025年1月31日 経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課

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