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「最期は家で過ごしたい」 イチロウ代表・水野友喜が描く“保険外介護”の原点

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「住み慣れた自宅で過ごしたいという想いには敵わない」

その一言が、すべての始まりでした。

介護保険の“外側”から生まれた新しい選択肢

多くのご家族様が、介護を考え始めたときに最初に頼るのは「介護保険サービス」です。
しかし、制度の範囲内では叶えられない願いや、時間・人手の制限に直面することも少なくありません。

そんな中、「制度ではなく、人に合わせる介護を」と立ち上がったのが、
介護保険外の訪問介護サービス『イチロウ』です。

創業者であり代表を務める水野友喜(みずの ゆうき)氏は、
介護現場での10年以上の経験を経て、現行制度の限界に直面した一人。
介護士としての原体験から、保険外でも“人らしい介護”を実現する仕組みをつくりました。

「最期は家に帰りたい」一人の利用者の声が原点に

水野氏が介護の世界に入ったのは20歳のとき。
特別養護老人ホームで介護士として働きながら、日々のケアに全力を注いでいました。

ある日、お看取りを担当していた女性の入居者がこう語ったそうです。

「最期は家に帰りたいの。」

その願いは叶わぬまま、彼女は施設で亡くなりました。
この経験が、水野氏の心に深く刻まれたといいます。

「どれだけ施設での生活を良くしようとしても、
“家で過ごしたい”という想いには敵わない。」

制度の枠内でできる努力には限界があり、
“本人の願い”に寄り添う介護を実現するには別の仕組みが必要だと感じたのです。

「介護保険サービス以外の選択肢がない」という壁

介護保険制度は多くの人を支えていますが、同時に「できること」に制約があります。
例えば、

  • 家族が外出する間の“見守り”
  • 介護保険の時間枠を超えた“夜間対応”
  • 趣味や外出など“生活の質”に関わる支援

こうした日常的なニーズは、制度の対象外になることが多いのです。

水野氏は言います。

「介護の状況は十人十色。正解は一つじゃない。
だからこそ、一人ひとりの希望を叶えられる選択肢が必要だと感じました。」

イチロウは、まさにその「選択肢の空白」を埋めるために誕生しました。

この“制度の壁”を最も実感しているのは、現場で支える介護職員です。
訪問介護の現場では、介護保険の範囲を超える支援を求められることも少なくありません。

施設介護出身の筆者に、その難しさを教えてくれたのが訪問介護の現場で活動する
くどう【自宅介護・訪問介護の人】さんでした。

「助けたいけれど、制度の壁がある」—— その葛藤を聞いたとき、
イチロウというサービスが生まれた意味が、はっきりとわかった気がしました。

【保存版】介護保険の訪問介護でできないこと|同居家族が失敗しないためのメリット・デメリット
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祖父の名を冠した「イチロウ」 理念に込めた想い

画像:公式HP

サービス名「イチロウ」は、水野氏の祖父の名前に由来します。

「自分の親に勧められないサービスを提供するのは、
介護士にとっても、要介護者にとっても不幸なことです。」

介護現場では「自分の両親に勧められるか?」という問いに、自信を持って「はい」と答えられる人はとても少ないのが現状です。

「自分が作るサービスは、自分の家族にも自信を持って提供できるクオリティを目指したい。」との思いで祖父の名前を使用。
これが自分たちの質にこだわっていく宣言となっている。

この言葉には、“事業”ではなく“約束”としての強い意味が宿っています。

それは、介護士としての原点への誓いであり、

「両親に勧められる介護=誰にとっても安心できる介護」を追求する姿勢そのものです。

制度の外でも、品質は守る「保険外介護」の新しい形

イチロウの大きな特徴は、介護保険外でも高い専門性を維持している点にあります。

  • 介護士・看護師など、国家資格を持つ専門職が登録
  • 家事援助から身体介護まで柔軟に依頼可能
  • 最短当日対応、1回2時間から利用可能
  • 家族・本人・介護士の3者をつなぐマッチングプラットフォーム

水野氏は「保険でできないことを自由に支える」ため、
あえて制度の外で、透明性と品質を両立させる仕組みを作り上げました。

“制度を補う”のではなく、“人に合わせる介護”を

水野氏は、2025年現在「介護関連サービス事業協会」の運営委員も務め、
業界全体の品質基準やガイドライン策定にも関わっています。

彼が描くのは、“制度を補う”介護ではなく、“人に合わせる”介護
これは単なる民間代替ではなく、介護の新しい価値観そのものです。

「介護の自由化」という言葉をよく使う水野氏。
それは、利用者が“自分の人生を自分で決める自由”を取り戻すという意味でもあります。

社会課題への挑戦──介護士不足と持続可能な介護環境へ

イチロウが目指しているのは、単なる個人マッチングではありません。
保険外という柔軟な形態を通じて、
介護士不足・離職・地域格差といった社会的課題の解決にも取り組んでいます。

「低賃金・長時間・精神的負担」という介護職の現実を変えること。
それもまた、イチロウの掲げる“両親に勧められる介護”の延長線上にあります。

資金調達と理念の進化──“幸せな最期”を実現するために

画像:PR TIMES

2025年秋、イチロウは新たな資金調達を発表しました。
既存投資家に加え、新たな投資家も加わり、事業はさらに拡大のフェーズへ。

その際、水野氏は自身のX(旧Twitter)でこう語っています。

「誰もが幸せな最後を迎えられる社会を実現するため、気を引き締めて邁進していきます。」

この発言からも、イチロウの理念が“過去の想い出”ではなく、
いまも進化を続ける原動力であることが伝わります。

「制度に頼る介護」から「自分で選ぶ介護」へ。
その変革の中心にいるのが、イチロウという存在です。

水野社長が語る「保険外サービス」の意義

水野社長は、複数のメディア取材の中でこう語っています。

「保険外サービスによって介護職の処遇改善が可能です。
制度内だけでは打開策が限られる現実があります。」

この言葉には、単なるビジネスではなく、
介護現場で働く人の尊厳を守るための視点が込められています。

介護保険制度が高齢者を支えてきた一方で、
制度に縛られることで「人の想い」や「柔軟な支援」が制限されてきた現場があります。
イチロウはその“狭間”を埋める存在として、
介護を受ける人にも、支える人にも、より良い選択肢を届けようとしています。

まとめ:「家に帰りたい」を叶えるために

「制度に寄り添うのではなく、人に寄り添う介護を。」

この言葉に、イチロウという会社のすべてが込められています。

施設でも、保険でも、叶えられない願いがある。
それを少しでも実現するために、
一人の介護士が始めた挑戦は、いま多くの家族に新しい希望を届けています。

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📎 参考・出典

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三角 丸子
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イチロウマニア
銀座のクラブホステスから介護士へ。
現場の介護職と生活相談員としての経験をもとに、
在宅介護・施設選び・保険外サービスなど、
家族を支える方に役立つ実践的な情報をお届けします。
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