緊急通報ボタンを設置する自治体の具体例

各自治体で、サポートの必要な高齢者を見守る事業がたくさんあります。
そのうちの5自治体を取り上げました。
基本的には『一人暮らしの高齢者』が対象ですが、そのほかにも広がりがあります。
2025/8現在

吹田市の緊急通報システム・人感センサー
吹田市では、お年寄りが一人で暮らしていても安心できるように、
ボタンを押すだけで助けを呼べる仕組みがあります。
家に「通報ボタン」や「首から下げられるペンダント型のボタン」が設置されていて、
体調が急に悪くなった時などに押すと、
すぐに専門のセンターにつながります。

センターの人は話を聞き、必要なら救急車を呼んだり、近所の協力してくれる人(協力員)に連絡して来てもらえるようになっています。
さらに、人感センサーという特別な機械を設置できる場合もあります。
これは、部屋の中で動きを感知する機械で、
もし長い時間動きがなければ「異常があるかも」と自動でセンターに知らせます。
すぐに確認が入り、必要なら救急車や協力員が駆けつけます。
このサービスを利用するには少しお金がかかりますが、市がサポートしてくれるので負担は大きくありません。

電話回線や自宅の鍵を預けておく必要はありますが、
その分安心して生活できるようになります。
「急に倒れても助けを呼べる」「動きがなくても見守ってくれる」──これが吹田市のシステムの大きな特徴です。
浦安市の「緊急通報装置」の貸与制度
浦安市では、一人暮らしの高齢者や同居者がいない時間がある高齢者のために、
「緊急通報装置」を無料で貸し出しています。

この装置には、家の固定電話とつなぐ機器と、首からかけられる ペンダント型のボタンが含まれています。
普段から自分のそばに置き、体調が急に悪くなったときにそのボタンを押すだけで、すぐにコールセンターにつながります。
そこから必要に応じて救急車が呼ばれたり、
市が認めた支援スタッフや親族へ連絡が入ります。
また、健康相談ができる「相談ボタン」も付いていて、普段の不安にも対応可能です。
通信方式は固定電話回線か、携帯回線(LTE)を選べます。
さらに、希望すれば「ライフリズムセンサー」も追加可能で、たとえば家で24時間誰もドアを開けなかった場合、自動的に通報されるしくみです。
(この機能を使うには自宅の鍵を市に預ける必要があります。)

装置や支援者の派遣は無料ですが、
電気代や通信料金は自己負担です。
利用を希望する方は、市役所高齢者福祉課で申請手続きができます。
福岡市の「緊急通報システム」
福岡市では、一人暮らしの高齢者や体の不安がある方が、緊急事態にすぐ助けを呼べるように、首から下げるペンダント型の緊急呼び出しボタンなどを貸し出す制度があります。
体調が急変したときにボタンを押すと、自動的に「受信センター」に通報されます。

そこでオペレーターが対応し、
必要なら救急車を呼んだり、市と連携した協力員に来てもらうという流れです。
また、急な体調変化だけでなく、
日常生活の小さな不安も相談できる
「相談窓口」のような役割もあり、高齢者が安全で安心して暮らせる仕組みとなっています。
利用できるのは65歳以上で、介護保険の対象者を含む市民。
利用料は所得に応じて変わりますが、
固定電話タイプで最大月948円、
携帯電話タイプで最大月1,145円と、比較的負担の少ない料金設定です。

申請は市の福祉関係窓口で行うことができ、安心して在宅生活を送るための強力な支えとなります。
熊本県:御船町の見守りネットワーク
熊本県御船町(みふねまち)では、元気に安心して暮らせるように、
地域の人たちや福祉の協力者同士がつながる「見守りネットワーク」を作っています。
対象は、一人暮らしの高齢者や支援が必要な方です。
そこでは、区長や民生委員・シルバーヘルパー・福祉協力員、介護予防サポーターなど、
いろいろな立場の人たちがチームになって支えてくれます。

見守りの活動は主に4つ:
- 声かけ・見守り
「最近様子がおかしいな」と思ったら
声をかけるなど、日常での気づきを大事にします。 - 連絡会
地域のイベントや情報を共有する場として、みんなで集まる「連絡会」が開かれています。 - 緊急安心カード
名前や緊急連絡先が書かれたカードで、いざという時に役立ちます。 - 地域サロン
住民が気軽に集まれる場を提供し、
交流や安否確認の場としても活用されています。

なにか心配なことがあれば、
御船町役場の福祉課や社会福祉協議会へ気軽に相談できる体制も整っています。
これらのしくみが、御船町を“みんなで見守る町”にしています。
本庄市の「緊急通報システム事業」
本庄市では、一人暮らしの高齢者や在宅で支援が必要な方を対象に、2つの安心サービスを提供。
1. 緊急通報システム
緊急時に「通報ボタン」を押すだけで、24時間対応のオペレーターにつながります。
ボタン所在地によって、市の支援スタッフや協力員が駆けつける仕組みです。
また、月に1回「安否確認の電話」も行われます。利用には、協力員2名の登録が必要ですが、それが難しい方は「駆けつけサービス」を有料で利用可能です。
- 対象:65歳以上の一人暮らし高齢者で、日常生活に不安がある方
- 費用:所得に応じた自己負担あり(約203円〜2,035円/月)
+駆けつけサービス550円/月
2. ひとり歩き高齢者等探知事業
認知症による徘徊の恐れがある方に、携帯型のGPS端末を貸し出し、行方が不明になった際には位置情報をもとに保護支援を受けられます。家族以外にも委託業者が支援に加わる仕組みです。

- 費用:基本料金1,320円/月+位置検索などの利用料。急行サービスは11,000円/時間で対応可能。
今回ご紹介したように、吹田市・浦安市・福岡市・御船町・本庄市など、
多くの自治体が一人暮らしの高齢者を中心に、安心して暮らせるよう見守りの仕組みを整えています。
対象やサービス内容には違いがありますが、共通しているのは
「一人で抱え込まず、地域や仕組みに支えてもらえる環境がある」ということです。
親や家族の安全を守るため、まずはお住まいの自治体でどんな制度があるのかを確認してみることをおすすめします。
見守りシステムを上手に活用することで、
日常の安心だけでなく、いざというときの命綱にもつながります。