医療費が“ほとんどかからない”しくみ─ 高齢者・介護をしている家族のための福祉給付制度まとめ ─
介護をしていると、通院や薬代などの医療費が思った以上に重くのしかかります。
「介護費用だけで精いっぱい。医療費も安くならないの?」
──そんな声に応えるのが、全国の自治体で実施されている 医療費助成制度(福祉給付金制度) です。
ただし、これらは “待っているだけでは使えない制度” です。
自分から情報を探して申請してこそ、初めてサポートを受けられます。
この記事では、全国どこに住んでいてもチェックしてほしい
「医療費が無料または格安になる制度」をわかりやすくまとめました。
🟩 1. 高齢者医療費助成制度(福祉医療)
対象: 70歳以上で住民税が非課税の方など
内容: 病院や薬局で支払う自己負担(1〜3割)を、自治体が全額または一部助成します。
実例 地域ごとの違い
- 東京都・江戸川区
外来・入院どちらも自己負担ゼロ、または月上限1,000円。
「福祉医療証」を病院で提示するだけで支払いが不要。 - 大阪市(大阪府)
70歳以上で非課税世帯の場合、外来1医療機関ごとに月上限500円、
入院は月上限1,000円まで。
同じ月に複数の病院に通っても、それぞれ上限が設定されています。 - 名古屋市(愛知県)
市民税非課税の高齢者は、外来・入院とも1割負担(上限1,000円)。
医療証を提示すれば、窓口での支払いが減額されます。 - 札幌市(北海道)
市民税非課税世帯であれば、1医療機関につき月上限500円(外来)、
入院は月上限1,000円。
薬局での支払いも対象に含まれ、負担が軽減されます。
🩵 ポイント
・自治体によって「上限金額」や「助成対象」は少しずつ違います。
・共通しているのは、
「70歳以上」
「非課税世帯」
「医療証の交付」
この3つがそろえば、医療費が無料または大幅に軽減されるようです。
申請先: 高齢者福祉課または保険年金課
必要書類: 介護保険証・所得証明書・印鑑など
🟩 2. 重度障がい者医療費助成制度
対象: 身体障害者手帳(1〜3級)、療育手帳(A1・A2)、精神保健福祉手帳(1級)をお持ちの方
内容: 病院での自己負担を全額または一部自治体が負担
- 自己負担:無料〜月上限500〜1,000円程度(自治体により異なる)
- 申請先:障害福祉課
🟩 3. 高額医療・高額介護合算制度(全国共通)
対象: 医療と介護サービスを両方利用している方
内容: 1年間(8月〜翌7月)で支払った医療+介護費が上限を超えると、超えた分が払い戻されます。
💡 上限額(例)
- 非課税世帯:約3万円
- 一般世帯:約56万円
申請先: 健康保険組合または介護保険課
🟩 4. 在宅介護者・低所得者向け医療助成
対象:
- 要介護認定を受けており、在宅で介護を続けている方
- 生活保護まではいかないが、経済的に厳しい世帯
内容:
「高齢者福祉給付金」「在宅介護者医療助成」「介護者慰労金」などの名称で、
医療費の助成やお見舞金を支給している自治体もあります。
申請先: 地域包括支援センターまたは市区町村の福祉課
🟦 手続きの流れ
- 市区町村のホームページで「医療費助成」「高齢者福祉医療」などを検索
- 必要書類を確認(所得証明・介護保険証・印鑑など)
- 窓口または郵送で申請
- 承認後、「福祉医療受給者証」が届く
- 病院や薬局の窓口で提示 → 支払いが無料または上限額に
🟦 よくある質問
Q. 介護施設に入っていても対象になりますか?
A. 医療費助成は「在宅」「施設」どちらでも対象になることが多いです。施設医療費の扱いは自治体で確認を。
Q. 診断書は必要ですか?
A. 医療費助成制度では不要なことがほとんど。
障がいを証明する手帳や所得証明で足ります。
Q. 家族が代わりに申請できますか?
A. 可能です。代理申請の場合は委任状が必要な場合もあります。
🟦 申請を忘れずに!ご家族へのアドバイス
- 医療費助成は 自動ではなく申請制。
- 窓口は「高齢者福祉課」「障害福祉課」「介護保険課」など。
- 診断書が必要なケースはまれで、ほとんどは 手帳・所得証明・介護保険証 で足ります。
- 代理申請も可能(家族の委任状が必要な場合あり)。
🟦 まとめ
医療費が「無料」または「ほとんどかからない」制度は、
✅ 高齢者向け
✅ 障がい者向け
✅ 医療+介護の併用
✅ 在宅介護世帯向け
──など複数あります。
ぜひお住まいの市区町村の 高齢者福祉課・障害福祉課・介護保険課 に相談してみましょう。

